『ダルマの柩』

[メイン] No Name : KPレスシナリオ『ダルマの柩』。

制作、篠町トオリさん。

PL夏乃ヲ。

よろしくお願いします。


[メイン] No Name : 「怪物」とは何ですか

人と違ったら怪物なのでしょうか

どうしたら僕は生きていけますか ねえ 誰か


To live without Hope is to cease to live.

(希望を持たずに生きることは、死ぬことに等しい。/ドストエフスキー)


[メイン] No Name : ではPC紹介から。佑十くーん!!


[メイン] 或隅 佑十 : 『好奇心』旺盛な学者先生、或隅 佑十(アスミ ユウト)。26歳男性。

我が強く、楽しそう!と思ったらとにかく足を突っ込む性格。一人で突き進んでいくタイプなので、友達はいないし、出来てもいつの間にかいなくなっているような人間。

なんなら家族とも疎遠。生きている人間とのマトモな交流が少ない為か、日常の常識すら勘違いしているようなことがあったりする。

でも人に対しては全然優しいし、『人類』のことはよく知りたいと思っているぞ。


[メイン] 或隅 佑十 : こんな感じ。では始めます!!


[メイン] No Name : 瞼を開く。


昨夜の自分は何事も無く日常を終えて、眠りについたはずだ。


そこはいつもの自室ではなく、教会のような空間だった。

服装はよく着ている私服だが、植物の茎で編まれた冠が自分の頭に乗せられている。

祈りを向けられるだろう場所に貴方は立っている。


[メイン] No Name : すぐ近くには門があり、門の内側では宇宙を凝縮したような異空間が渦巻いていた。

門はただの枠へ戻り、向こう側にある楽器など雑多なものが見えるようになる。

空間内にいる人々は老若男女誰もが、恍惚の笑みを浮かべ、手を組んで、貴方に向かって祈っていた。


[メイン] 或隅 佑十 : ぱち、ぱちとキョトンとした顔で瞬きする。

(……?なんだここ?

 月桂冠……優勝した?いやよく見えねーな……

 つか教会?信者?なんだよ、俺カミサマ扱いか?)

チラリと人間たちを眺める。


[メイン] No Name : 「ああ、お目覚めになられてよかった……!」


その中でもひときわ年老いて、比較的豪華な衣服に身を包んだ男性が、歓喜の声を上げる。

服装の華美はさておき、誰もが素肌を過剰に隠すような服装をしていた。


[メイン] No Name : それでも、貴方には分かることがある。

布と布の隙間、目の周りの数センチ、その範囲から、何名かは明らかに鱗を覗かせていたのだ。

人間ではない。そんな客観的な事実と、周囲の余りにも人間の街らしい様子のギャップに戸惑うかもしれない。


[メイン] No Name : 鱗が、少なくとも見える範囲には一切無さそうな人もかなりの人数確認出来る。

彼らは人間で、同じような服装をしているだけなのだろうか。


[メイン] No Name : 最初に声を上げていた老人に、周囲の者が「長老」と声をかける。

この長老がこの空間のトップであるようだ。長老はコホンと咳をすると、貴方に向かって語りかける。


[メイン] No Name : 「この街は、今や名を持たぬ街です」

「十年以上前にやってきた医師が、この街に呪いをもたらしたのです」

「我々は呪いを受け、今や住民の過半数に鱗が生えてしまった」

「交易で成り立っていた我が街は忌避されるようになり、没落寸前なのです」

「鱗を持たぬ御方よ、どうか医師を偽って入りこんだあの怪物を倒してください」

「武器ならば何でも用意します。金銭も、言い値をおっしゃってください。街の全ての財をかき集めます。未来への投資を考えればそれでも足りないほどです」

「我々街の者では、あの宮に近づくことすらできない」


[メイン] 或隅 佑十 : (鱗だ。)と思う。

(鱗が生えた?体に。

 体が鱗みたいにパリパリになるヤツ……病気?とかなら何かあったよな。これとは違そうだけど……)


[メイン] 或隅 佑十 : 自分の顎を触って長老に返答する。

「鱗を持たぬ者……てのは俺の事?そのオイシャサン、倒す為に呼んだ……つか、拉致か。拉致ね。

 ……あんた達、切羽詰まってんだなぁ……」

哀れみを灯らせた目をする。


[メイン] 或隅 佑十 : 「……可哀想に。」

「いいぜ、荒事にはそこまで自信無いけど、戦えねぇ訳じゃない。

 それに、人助けは好きだ!!手伝うよ。」

ニコ!と笑いかける。


[メイン] No Name : 「向かっていただけるだけで、なんとありがたいことか!」


[メイン] 或隅 佑十 : 「いいってことよ!」


[メイン] No Name : 「貴方様を迎え入れた魔術は、半日程度しか持たないのです。急かして大変申し訳ないのですが、持ってゆく武器を見繕いましたら馬車へお乗りくださいませ」

「街の者が立ち寄れる場所までは送らせます」


[メイン] 或隅 佑十 : 「魔術?」

「……アー、そういえばさっき門の外がもょもょしていたような……アレ魔術なんだ。魔術、あんだ。」


[メイン] 或隅 佑十 : 「魔術、あんだな!地球上に。おもしれ!」

嬉しそうにする。

「俺も覚えてぇな〜。戦い終わったらこの街歩き回ってもいーか?嗅ぎ回ったら怒るか?」


[メイン] No Name : 長老は貴方が両手で持ち切れないほどの金貨を差し出す。

この街の通貨なのだろうか。見覚えはないが、それが貨幣であること、重さから恐らく純金かそれに類したものであることは分かるだろう。


[メイン] 或隅 佑十 : 「あれっ。スルーされた………?」金貨を貰う。

(それともこれで勘弁してくれってことか?

 いや、言葉で言われてないし……いいか!!勝手にウロチョロするぞ!!)


[メイン] No Name : 武器は馬車に乗せるという設定なので、後から何を積んでいったか決めても構わない。

(佑十の武器→拳銃を選択)


馬車に乗ると、また全身を隠した街の人が馬に鞭を当てた。


[メイン] 或隅 佑十 : 「よろしくな」

と御者に声をかけた。


[メイン] No Name : 山をしばらく上っただろうか、目覚めた場所から随分と高い位置に来たような気がする。


[メイン] No Name : 御者はマスクの下からゴポゴポという音と共に話し、貴方を置いて去っていく。

――目の前にあったのは、ごく普通の一軒家だ。ただし、酷い悪臭がする。

生ゴミが家の外側まで溢れている。単に生ゴミの悪臭であるようにも見える。

玄関の扉は壊れ、蝶番が辛うじて引っかかっていた。


[メイン] 或隅 佑十 : 御者に「おー!ありがとな!」等と言おうとするが、あまりの悪臭に思わず黙ってしまう。


[メイン] 或隅 佑十 : (は、入るのか〜〜!ここに。)

(こんななるまでよく放置したなぁ!!俺も研究に夢中になると部屋荒れっぱになるし、分かるけど。)

(レッツ自己放任だぜ。)


[メイン] No Name : 入ろうとすると、扉が倒れ、ガシャン、と派手な音を立てる。

大きな物音がたてられたにも関わらず、反応はない。


[メイン] No Name : 家の中へ入る。ゴミの中に動線が描かれており、真っ直ぐ二階へ続いていることが分かるだろう。

ゴミを捨てる場所として使っていったのか、一階の部屋や廊下はゴミで埋まっており、扉を開けることも出来ない。ただ、キッチン、リビングなどのある、普通の家だったことくらいは分かるだろう。


[メイン] 或隅 佑十 : 「あっ」壊しちゃった。


[メイン] 或隅 佑十 : すま〜ん。と思いつつ動線に則って2階まで進む。弁償かなぁ。金貨貰っといてよかったなぁ。


[メイン] No Name : <動線の先の部屋>

黒いカーテン、セミダブルサイズのベッド、金属製の机、そして、大量に溜まったカップラーメンや缶詰の容器。家具や物の様子から、男性の部屋であると想像するだろう。

ゴミで埋まった本棚には分厚い本がびっしりと並んでいる。

分野は多岐にわたっており、珍しい症例の医学書及び、皮膚科と外科の医学書が多いように感じる。


[メイン] 或隅 佑十 : 「俺の部屋っぽ〜い。ぐっちゃぐちゃ!!こんなゴミだらけじゃねーけど!!」


[メイン] 或隅 佑十 : お〜医学書だ。と思って近づく。

(おっ皮膚科の……本……か??わかんねーな……タイトル的にそうだと思うけど。

 やっぱ呪いじゃなくて病気で合ってるのか?金の為かなんかで流行病作ったのかな〜、才能のある奴だな。)


「……と、うん?」


[メイン] No Name : この部屋から続く奥の部屋があることが分かる。

シェアルームのような形式で、元はひとつの大きな部屋だった空間を大きな布で隔てているようだ。

今はその布が端に寄せられており、こちらからその様子を伺うことも出来る。


[メイン] No Name : 簡易的な布で仕切られただけの別空間だったが、奥の部屋には二つの白骨遺体とそれに群がっていた虫の残骸らしきもの以外、チリのひとつも落ちていない。

まるでそこを聖域として守り続けていたかのように。


[メイン] 或隅 佑十 : 「……ふーん?」


[メイン] No Name : <女性の部屋>

可愛らしいピンク色のカーテン、シングルサイズで縦に短いベッド、部屋に飾られたプリザーブドフラワーの数々。

手芸や花を好んだ、小柄な女性の部屋であることが想像できるだろう。


[メイン] 或隅 佑十 : おお。

「可愛い部屋〜〜……チカちゃんの部屋もこんな可愛さだったなぁ。懐かし〜……

 ……いや、あれ?チカちゃんだっけ。ミヨちゃんだったような…………。

 いや、ま。いいか!」

昔の女達のことを思い出すけど忘れてる。


[メイン] 或隅 佑十 : CCB<=70 【目星】 Cthulhu : (1D100<=70) > 66 > 成功


[メイン] 或隅 佑十 : しゃがんで、白骨死体をじーっと見てみる。

(全然知識ね〜〜から全然分かんね〜〜気がする。ワンチャンいけるか?)


[メイン] No Name : 片方が女性、片方が男性の遺体であることが分かる。


二人は薬指に、同じプラチナの指輪を嵌めていた。

女性の遺体の方が白骨状況が早く、姿勢が綺麗であることから、先に女性が死亡したのだと分かるだろう


[メイン] 或隅 佑十 : 「あ!意外とわかる!」


[メイン] 或隅 佑十 : 結婚指輪かなぁ。男、女の子が死んでから死体この場に置いて暫く生活してたのか?とか思ってちょっとオワー。てなる。人間ってのはやっぱ不気味だなぁ。


[メイン] 或隅 佑十 : 部屋もキョロキョロ見てみようぜ!!


[メイン] 或隅 佑十 : CCB<=70 【目星】 Cthulhu : (1D100<=70) > 44 > 成功


[メイン] No Name : 部屋に《目星》。

綺麗に整頓された部屋だ。よって、目星の成否を問わず机の上にある『日記』を見つける。


[メイン] 或隅 佑十 : 日記を読む。


[メイン] No Name : 日記

○月●日 僻地の医師に任命された。妻に頭を下げて、着いてきてもらうことにした。

前任の医師曰く、あまり医師の話を聞いてくれない土地柄らしい。頑張ろう。


○月●日 街での診察を開始した。随分と子どもの比率が高い。老人が少ない。

この地域特有の皮膚病があるらしいことが分かった。肌が鱗のように固くなっている。

専門書を取り寄せて勉強することにした。俺が治さなくちゃ。


[メイン] No Name : ○月●日 長老に呼び出された。皮膚病について伝えたことがいけなかったらしい。

ケガレとして教会で殺しているだって!? とんでもない。今まで隠し通して来たのにと、長老はカンカンだった。俺も妻も、殺されるかもしれない。

妻に逃げるよう伝えたが、残るという意思を変えてくれなかった。俺が守らなくちゃ。


○月●日 鱗を持つ人々は街に増え続けている。

こんなにこの街の人口が多かったことはないらしい。隣の街の人が、この街の人に石を投げ始めた。

この街の商品を買ってくれない、だから食料を満足に買えない。

そんな話を患者からされた。患者さんの病気は脚気だった。

ビタミンをとるように伝えたが、野菜なんて買えるわけがないと患者さんから殴られた。


[メイン] No Name : ○月●日 鱗は俺が来てから生え始めたのだと、長老が宣伝している。

確かに時期はあっている。その前の医師は心療内科を専攻しており、気づかなかったらしい。

任期も半年だったし、仕方ないのかもしれない。その前の医師はどうだったんだろう。

俺が話したのは間違いだったのだろうか。鱗の治療方法は見つからない。


○月●日 朝起きたら、妻が自殺していた。相変わらず人々は俺のことを呪いの元凶扱いする。

他の街はこの街ごと怪物扱いしている。俺の目には長老が怪物に見える。

もっと話せばよかった。研究に時間を割きすぎたのか。ごめん


[メイン] No Name : ○月●日

食事が喉を通らない。部屋が汚い。セルフネグレクトに陥っていることは自分でも理解している。

でもどうしようもない。折角ならここで共に眠りたい


筆跡の違う、比較的幼い字で、以下の内容が日記に書き加えられている。


突然教会のような場所に呼び出されてここに来た。

僕は誰にも何も話さずに、怪物は強すぎて倒せなかったとだけ告げてここを出ることにする。

倒せるわけがないだろう、こんな、「怪物」。同じような人がいたら、ヘタな行動をしないようここに書き残しておくよ。ああ、怪物ってこわいな。


日記はこのページ以降、白紙になっている。


[メイン] 或隅 佑十 : 「…………。」

「……あちゃあ。」


[メイン] 或隅 佑十 : 「マッドサイエンティスト扱いじゃねーあたり、本当に科学不足!て感じすんな。」

「いやまー、長老さんとお医者さんのどっちが本当のこと言ってるかなんて分かんないけどさー。」

「………まあ、手は合わせておくか。ぱん。」白骨死体に手を合わせる。


[メイン] 或隅 佑十 : 「……で、だ。」

と「怪物」についての話をもう一度読み返す。

「怪物」て何だろ。読む限り、実在しないのか?集団幻覚?

でも、俺はこれを倒せと言われてきた訳だ。「いる」として……ほら?幽霊とか?そういう感じで。いるとして。考えてみよう。

正体はお医者さんでほんとにFAか?ご遺体残ってるしな。

倒すのは無茶らしいけど、そう?元が人間ならいけるんじゃない?怪物次第かな。

どんな怪物なんだろうな。どんな怪物なんだろう。

……見てみたいなぁ、「怪物」。


[メイン] 或隅 佑十 : 例えばシュレックみたいな?巨大な巨大な……でも、倒せないって言ったら不死とかか?フランケンシュタイン、ヴァンパイア!!でも俺怪物って言ったらでっけ〜〜芋虫みたいなのがいいなぁ!!裏に足がビッシリあると気持ち悪くていいよなぁ!!アでも、ゴミ溜めに鱗に……ドデケ〜〜魚とかユスリカの幼虫とかドブネズミがモデルの方が『流れ』としてはいいのかな?やたらとにかくデカいと嬉しいな?

「楽しみだなぁ。ひと目ちらっとみて帰ったらダメかなぁ。……つかどこにいるんだろな?」


[メイン] 或隅 佑十 : 「一回外から見てみるか。そばに居る気配全然無いし。」


[メイン] No Name : 或隅佑十が家を出ると、ちょうど貴方を連れてきた馬車が屋敷前に到着する。


馬車の中に入れば、貴方以外にもひとり、乗り込んでいることが分かる。長老だ。

「『結果はどうでしたか』、外の方」


[メイン] 或隅 佑十 : 「あ、長老さん。」

「ワリ、迎えに来てくれたのか。」


[メイン] 或隅 佑十 : 長老の質問について考える。

『結果はどうでしたか』。

どうしよう?まだ何もしてないんだけど……。今わかってることだけ伝えるか?滅茶苦茶キレられたら走って逃げようか。


[メイン] No Name : →長老に真実を伝えた


[メイン] No Name : 「そうですか、そうですか、ご尽力いただきありがとうございました」

「そして、どう思いますか? 協力していただけますか?」

「何かが悪役にならなければ、この街はもう保てないのです」


[メイン] 或隅 佑十 : (困窮してるらしいもんなぁ。敵意の結束感での村運営もしゃーないか。

 で、えと……悪役?えっと……怪物がいる、怪物が医者である、ていうのを肯定しろ、てことか?)


[メイン] 或隅 佑十 : (ちょっと悪いことしちゃう気持ちだな。日記が真実なら、一応医者いじめを見過ごす……どころか加速させる感じになるんだろ?)

「……いや、本人死んでるからもういいのか。死者への冒涜……邪悪そのもの。だが、生きてる人間を犠牲にするよりマシか。」


[メイン] 或隅 佑十 : 「若干罪悪感が残るけど……いいぜ、長老さん。

 何人も村人がいるんだ、それが大勢が生きるための、ひとつのよすがだと言うのなら。

 俺はいいよ。協力するさ。」


[メイン] No Name : 貴方は再び教会へ足を踏み入れる。貴方と長老以外、誰もいない。


[メイン] 或隅 佑十 : (結局、怪物を倒せ……ていうのは方弁だったわけかな。)

(怪物が居続けていることにしたかったんだ。真実感の強調の為に、村の人間じゃない『特別な』外部の存在にそれを認めさせて、喧伝して欲しかったんだろう。)

(……。……怪物、いないのか……魔術も、ほんとはないのかな……)しゅん……


[メイン] No Name : 各々の家庭で生活している気配はうかがえるだろう。

「ケガレを持ち帰ったかもしれないと、街の皆は怯えているのです」

「どうか、気を悪くしないでください」

教会の門には再び、宇宙を凝縮したような空間が渦巻いていた。

貴方は異空間への門を潜りながら、ここへ来るまでの記憶を取り戻していた。

今から自分の街へ戻るだけだ、と。

「ああ、それにしても、お怪我が無くて何よりでした。貴方様は神の使いであらせられるのですから」

長老の表情は、見えなかった。


[メイン] 或隅 佑十 : くぐっとる!!!帰るんや。

協力、『認めた』て事実だけでよかったのかな……?


[メイン] 或隅 佑十 : 「神の使い。」

意味深な最後の言葉に思わず長老を見やった。

しかし……間に合わず、体は門の中に消えた。


[メイン] No Name : ひとつの街が、ダムの底へ沈んだ。

住民への伝達は、何故か一年以上滞っていたようで、街の人は誰一人として、助からなかったらしい。


[メイン] No Name : 貴方はとある国のそんなニュースを見た。

街だった場所として映し出されていた建物や教会には、見覚えがあった。

ダムの水に飲みこまれずに残っていたのは、ゴミ屋敷と化した元医師の家だけ。


[メイン] No Name : 柩だったのは街そのもの

怪物扱いされていたのも街そのもの

隣の街から見たら街の人は怪物で

街の人から見たら医師は怪物で

怪物って何なんだろう

どうして

僕はどうやって生きたらいいんですか


[メイン] No Name : 貴方の前に隣の街から呼ばれた、

『身体に鱗を持つ』青年は、

そう言って嗤っていた。


[メイン] No Name : 背景

探索者が呼び出された街は、大昔に深きものが生息していた地域である。

よって、この街では一定の確率で、混血種が生まれ続けている。

他の街との交易により生計を立てているこの街で、鱗を持つ異形の街という噂が広まるのは死活問題であったため、混血種が一定以上の年齢になり、鱗が見つかると、その混血種は処分されていた。

よって、田舎にも関わらず極めて若年層の多い街となっている。


[メイン] No Name : ド田舎であるため、この街にひとつしかない診療所は別の地域から医師が派遣される輪番制である。

十年前に赴任してきた医師が鱗のことを『原因不明の皮膚病』として広めてしまったことで、皮膚病の発生源として、この街自体が忌避されるようになった。

他の街との交易に著しい支障が出たことにより、食料の調達にも困るようになり、街は荒廃していた。


[メイン] No Name : 長老らは街の事情を知っているが、街をパニックに陥らせないように、医師に怪物役を押し付け、定期的に探索者のような外部の人間を呼び、居もしない「怪物退治」をさせている。

探索者はただ利用されているだけである。

探索者の前に呼ばれたのは隣の街に住んでいる青年であり、呼ばれる対象は本当にランダムである。


[メイン] No Name : 尚、この街自体が怪物扱いされているため、ちょうど探索者が去った翌日、この街はダムの底に沈められる予定である。

その事実は街の誰にも知らされておらず、探索者がそれを知る術もない。


[メイン] 或隅 佑十 : だ、ダム〜〜〜!?


[メイン] 或隅 佑十 : とんでもない大量殺戮が行われて終わった……!!!!!怖い!!!!!佑十も泣いちゃう!!!!(泣かない)


[メイン] 或隅 佑十 : いや……楽しかったです。序盤のワクワク感凄かった……。面白かった。

或隅佑十、このために……というかKPレス用に作りましたが、滅茶苦茶喋ってくれるから楽しいけどめんどい!!楽しい。黙れ!!!


[メイン] 或隅 佑十 : では……報酬やクリファン等は無いため、ここで終わりましょう。

『ダルマの柩』でした。お疲れ様でした!